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編み物と言葉と材料。あと、帰宅した私。

by おたかな

それから家に着いた私は机の中から小さな熊のストラップを取り出した。

熊は緑とも黄色とも言えぬ色のニットを着ている。

ーー実は、タイトル部分背面の色は私が自由に選ぶことができる。そしてそこにRGBで指定してもほとんど同じなんじゃなかろうかと思う、緑とも黄色とも言えぬ色はあった。でもなんとなくまだ隠しておきたくなって、敢えてタイトル背景にはオレンジを選んだ。ーー

いつどこで貰ったのか、買ったのか、とにかくどうやって手に入れたのか皆目見当がつかないそれの在り処を、私は確かに思い出したのだ。

20歳を超え、大人になった私の手が再び熊の着る温かそうなニットに触れた。誰が作ったのか、手編みどうかもわからないそれに温かさを感じていた私がばからしいと思った。

私の言葉だって、そうなればいい。誰がどこで言ってたっけ、忘れたけど(笑)って。自分で思い付いたような顔して、上手に自惚れる糧になってくれたって構わない。

それからせめて、これはあのお婆さんの編んだものかもしれないと思うことにした。本当に入手経路がわからないのだから、無理にそうではないと言い切ることもない。お婆さんも「どうだったかしらねぇ。」と言ってくれる気がしたから。もちろんただ私の勝手な想像だ。

きっと、この熊はあの良い姿勢と優しい手つきを思い出させてくれるトークンになるんだろうな。もちろんただ私にとって。

この色は鶸色(ひわいろ)と呼ぶのだそうだ。ひわは北海道の鳥らしい。寒そうだ、ぴぇ。

編み物と言葉と材料費。
あと、帰宅した私。

2016.12.30


おたかな
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